KOAは経営環境変化による幾たびの変化点を迎えながらも、新たな経営システム「KPS(KOA Profit System)活動」の導入によってこれらを乗り越え、企業価値向上を目指して企業活動に取り組んできました。KPS活動は全員参加の経営改善活動であり、今日までに経営環境の変化に応じて「KPS-1」、「KPS-2」、「KPS-3」と進化し続けています。
●KPS-1(1987年~)
1985年のプラザ合意による急激な円高によって、1986年から3期連続赤字、2期連続無配、業績の悪化による社員の士気低下という大きな経営の変化点を迎えました。この状況を打破するために導入されたのが「KPS-1」です。
「KPS-1」では収益性を高め、業績の回復と雇用の安定を目指して、経営のムダを徹底的に排除することに取り組みました。従来の見込み生産方式ではなく、受注生産方式に切換え、不要となった大量生産用の設備やシステムを見直し、スペース・エネルギー・費用・動作の最小化を目指す「からくり思想」に基づく設備制作を開始。また、「ワークショップ制」という20名程度の小さな組織で受注から製造、発送までを一貫して請け負う“お客様の顔が見える”システムに変換。これにより製造現場ではお客様との信頼関係がより強固なものとなり、つくる喜びを強く感じることができるようになりました。
●KPS-2(2001年~)
2001年のドットコムバブル崩壊を受けたお客様の調達形態の急激な変化により、KOAは赤字転落に陥りました。それまで主力としていたデジタル家電向け市場も成熟期を迎え、自動車という新たな分野での成長による生き残りを図るために導入されたのが「KPS-2」です。
「KPS-2」では、お客様からご指名いただける会社を目指し、品質の向上を基礎に新しい分野での事業拡大(事業構造改革)による収益性の向上に取り組みました。また、あらゆる業務やそれに携わる社員の質向上を目指し、一人ひとりがビジネスフローを知り、ものの見方や考え方、行動管理の仕方を変え、お客様にご満足いただけるように心掛けています。
●KPS-3(2010年~)
KPS-1・2の取り組みを通じて、事業の収益性は着実に向上していきました。しかし、変化の激しい世の中において新たな価値を創出することが必要となっています。世の中の変化を捉え、社会課題の解決に貢献していくために導入されたのが「KPS-3」です。
「KPS-3」では、顧客ニーズに加え、社会課題を含めた10年~20年先の未来予測に基づき、今後求められる製品や技術を想定した「ロードマップ」を作成。これを基にお客様と対話をし、さらに仮設・検証を繰り返しながらパートナー企業や先端研究所とのイノベーションを進め、お客様に新たな価値を提供する「共創できる研究開発型企業」を目指しています。